国際誌に掲載された論文解説

ツイッターではお知らせしましたが、ここ3年ほど同僚のアヌパムと共同研究していた論文が国際誌「PLOS Pathogens(プロス・パソジェン)」に掲載されました!
 
オープンアクセスのジャーナルなので、こちらのリンクから全文読めるし、またダウンロードもできます。
 
専門的で分からないけど、内容が知りたいとのお声をいただいたので、要約の部分を噛み砕いて簡単に説明したいと思います。
 

 
免疫細胞などの造血系由来の細胞か、はたまた造血系ではない上皮系の細胞か、一体どちらがどのように呼吸器系の病気を起こすカビの感染に対して防御の役割をしているのかは、これまで良く分かっていませんでした。「アスペルギルス・フミガタス」というカビは、がん患者など、免疫抑制(免疫力が落ちている)している場合の最も多い死因として大きな問題となっています。このアスペルギルスと闘う免疫の活動には、MyD88とCARD9という、細胞内の信号伝達タンパクが重要な役割を果たしています。今回の我々の研究では、このMyD88とCARD9が造血系と非造血系の細胞の両方でどのように活性化し、免疫細胞である好中球を制御するかを調べました。研究の結果、我々は2ステップのモデルを提案するに至りました。最初のステップは、MyD88が非造血系細胞で活性化し、好中球をケモカインという物質を介して感染部位まで引き寄せます。ちなみに、ケモカインを投与することで、MyD88に欠損がある動物を感染から守ることができます。2つ目のステップは、造血系細胞の中でCARD9が活性化します。これらのステップが乱れると、動物の肺に感染が進行して命を奪ってしまいます。この研究では、アスペルギルスに感染した時に、呼吸器系の中で造血系細胞と非造血系細胞の細胞伝達がどのようなタイミングとメカニズムで成り立ち、個体を感染から守っているかを明らかにしました。

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