しおちゃんの自宅療養

しおちゃんの自宅療養

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しおちゃんが自宅療養していた時の動画です。
先日もブログでお伝えしましたが、投薬期間も終わって症状も出ず安定しています!
しおちゃんが元気におしゃべりしている姿を見ながら、
改めてこの子に対する愛しい気持ちや、この子の尊い命に対する僕の決意を
ひしひしと感じている今日このごろです。
 
しおちゃんの症状が安定するまでは僕も気持ちが落ち着かない日々が続いていましたが、
最近は落ち着いてブログや動画にも取り組めるようになってきました。
 
しおちゃんが緊急入院してから退院、そして療養している間も、たくさんの方々から
応援のメッセージや元気玉を送っていただいたことを、心から感謝しております。
 
応援のメッセージに加えて、中にはしおちゃんのサポートとして
募金したいとまでおっしゃってくださる方々がいらっしゃいました。
もう本当にその温かいお気持ちの数々に感激しました。
こうして見守っていただけて愛されていることに、ただただ感謝です。
 
確かに、NYの獣医費用は日本の5〜10倍くらいかと思えるほど高いです。
しおちゃんを救急に連れていった時も、見積もりが40万円で、まず30万円を
その場で払えなければ、ベストな治療はできないし、
応急処置を施して他の病院に搬送するしかないと言われました。
しおちゃんは一刻を争う事態だったので、僕はすぐ決断を下して処置をしてもらいましたが、
NYでは中にはお金のせいで救える命も救えず諦めた人たちもたくさんいるのではないかと想像し、
とても心苦しい思いにもなりました。僕は救えることができたので、本当にラッキーでした。
 
今回は突発性の膀胱炎でしたが、他の問題としてしおちゃんの右目の黒点があります。
メラノーシスというのですが、これが日々大きくなりはじめています。
悪性にならないままでいることもあるのですが、これが悪性黒色腫(ガン)になることもあります。
悪性黒色腫になると、全身に転移してしまうので眼を摘出する以外の方法がありません。
今回の緊急入院の時に獣医がしおちゃんの黒点に気づき、
それを気にしてまた専門家の受診を受けるようにと言っています。
しおちゃんの膀胱炎が落ち着いた頃に、受診に行ってこようと思っています。
 
こういう状況を通ってきて、皆さんに応援してもらえることはなにより心強いです。
募金の申し出などは、お気持ちだけうけとって、お金はお受けしませんでした。
僕は、どうすれば納得いく形でみなさんのサポートをありがたく受け入れられるか、
そして今後しおちゃんに獣医費用も含めてベストな準備を整えられるか、ここ数週間考えていました。
そして思いついたのはメルマガでした。
もし何かのサポートをしたいというお気持ちをいただけるとしたら、メルマガを購読いただけたら本当に有り難いです。
メルマガは僕もとても力を注いでいて、みなさんに喜んでいただけるものを書こうと日々努力しています。
無料のものを有料にしているのではなくて、有料がゆえに自分の引き出しや知識を最大活用して
皆さんに楽しんでいただけるもの、役に立つ知識などを配信しています。
メルマガを通してのサポートでしたら、僕はありがたくお受けしたいですし、
それでしおちゃんのケアが十分にできたり、これまで通りアニマルシェルターにも寄付したり、
そういった活動も不安を持ちながらではなく、積極的にできるのがやはりベストだと思うのです。
 
メルマガは僕が最も力を注いでいるしおちゃん関連の活動でありながら、
その内容はほとんどの方に知られていないというのが実際の状況です。
そこで、今日はメルマガの抜粋を以下に紹介したいと思います。
この抜粋はほんの一部で、この他にも「最近のおきゃん」として近況報告や最新情報、
それから読者さんからのプライベートな質問や人生相談にも本気で親身にお応えしています。
どうぞ、よかったら覗いてみてください。
 
明日火曜日発行!詳細はクリック↓
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以下、メルマガの抜粋のサンプルです。

 

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●Vol.053 より抜粋(生い立ちなどのエピソード)
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【母が倒れた】
 
小学校低学年の僕は非常に多感な時期を過ごしました。僕は、人と違うことを
好む変わり者でしたが、様々な性格の変化がありました。豪傑な幼稚園時代、
非常に繊細な心の小学校低学年、そして目と腹がすわった小学校高学年になっ
ていったのです。ある時、僕は遠足に弁当さえ持たずに出かけました。そんな
僕に、母はお弁当を買わせることもなく、手作りで遠足先にまで届けてきてく
れました。そんな、僕の健康を常に考えてくれていた母でしたが、ある日突然
病床に伏してしまったのです。
 
僕も小学校5年生となり、高学年になりました。豪傑だったり、繊細だった
り、図々しかったりすることもなくなって、だんだんと落ち着いた小学生とな
ってきました。ちょうどこの頃、妹も小学校に入学してきていました。妹はち
っちゃくて愛嬌があったので、特に上級生に可愛がられていました。上級生は
妹を自分たちの妹のように接してくれていましたが、妹のことを「センパイ」
などと呼ぶほどリスペクトしてさえもいました。一体、あの小さかった妹が上
級生を従えるなんて、どんなカリスマだったんだ?!と思いますが、実際はニ
コニコ愛嬌が良かったから可愛がられたんですね。ねこと一緒です。
 
僕は僕で、この頃学区の関係で転校したのですが、新しい学校でも友達はすぐ
たくさんできて楽しく過ごしていました。母が倒れるまでは。
 
そしてそんな家族にとって忌まわしい日がやってきました。母はある日、体が
むくんだり、倦怠感などの症状を訴えました。日々全開で多忙にしていた母で
すから、最初は疲労が出ていたりしたのかと思っていました。ところが、症状
は一向に改善するどころか、悪化してゆきました。そこで、病院で検査を受け
たのです。
 
そして母は、ショッキングな事実を医者に宣告されました。
 
「ネフローゼ症候群」
 

「ノイローゼ」でも「ねてようぜ」でもありません。「ネフローゼ」です。ネ
フローゼ症候群とは、腎臓の疾患です。腎臓の糸球体という血液を濾過する部
分に炎症が起きて、蛋白尿になったり、ひどいむくみを誘発したりします。慢
性腎炎であることが多く、難病であり、良くなっても再発率も極めて高い。場
合によっては命を奪う病気です。
 
 
【一番怖かった病】
 
母は、この病気を一番恐れていました。もしかしたら、他の難病よりもこの病
気にだけはなりたくないと思っていたのです。というのも、母が最も親愛して
いた母のお兄さん(僕の叔父に当たる)が、20代の若さでこの病気で亡くな
っているからです。そのお兄さんは、なにやら僕にそっくりだったそうです。
お兄さんは入院して治療を受けていましたが、その甲斐もなく、いろいろな薬
を入れられて、体がぶくぶくに浮腫んで、見るに耐えない姿にもなり死んでい
ったそうです。母も祖母も、お兄さんの死には大変心を痛めていました。だか
ら、母にとっても、僕達親類一同にとっても、ネフローゼは何より恐ろしい病
気だったのです。したがって、医者にそう宣告された時は皆大変ショックでし
た。僕も、ガーンと頭を叩かれたようなショックを受けたのを今でも覚えてい
ます。
 
そして医者は、母にこういったそうです。
 
(母の経過などの続きはメルマガVol.053 にて)
 

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●Vol.054 より抜粋(生い立ちなどのエピソード)
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母がいなくなり、父も当時仕事が超多忙だったこともあり、我が家にはお手伝
いさんが来てくれることになりました。両親の知人づてでいらしてくださっ
た、年配の女性の方でした。年配といっても、以前登場した「キャラメル婆さ
ん」ほど「おばあちゃん」ではありませんでした。しかしこのおばあちゃん、
キャラメル婆さん以上の飛び道具を持っていたのです。
 
このおばあちゃん、ソネさん(仮名)は、我が家の家事や炊事をしてくれるこ
とになりました。こういう方に来ていただけるだけでも、我が家は恵まれてい
たと思います。お手伝いの方がいなかったら、子供の僕と妹だけで身の回りの
ことをこなさなければいけませんでした。そのことは、とても感謝していま
す。
 
さて、母が去ってから早速ソネさんがやってきました。見た目は特に普通のお
ばあちゃんです。キャラメルを舌で転がしているような様子もなければ、「フ
ァック!」とか怒鳴りそうな雰囲気でもありません。そしてある日のこと。ソ
ネさんは、夕方早い時間から料理を初めています。まだ夕食にはだいぶ時間が
あるのに、ソネさんは準備をしていました。なんかグツグツ煮ています。

 
しんコロ「ソネさん、なんでもう料理してるんですか?まだごはんの時間じゃ
ないです」
 
ソネ「つくっておいておくのです。」
 
しんコロ「えっ!?」

 
僕は、一瞬ソネさんが何を言っているのかわかりませんでした。そしてその直
後に、ソネさんはごはんを作って置いておこうとしている、という恐ろしい事
実を知ってしまいました。僕の母は、いつも家族に温かい出来たての料理を食
べさせてくれていました。しかも、複数のおかずがあっても、それらがすべて
同時にできあがって、すべてが熱々の状態で出されるものでした。なので、母
が「ごはんよー」と家族を呼んだ時にすぐ食卓に行かないと、せっかくのすべ
て熱々のタイミングで作ってくれた料理が冷めてしまって、母の努力を台無し
にしてしまいます。なので、子供としても料理のできるタイミングなどには気
を使っていました。
 
そんなある意味とんでもなく贅沢な生活をしていた僕でしたから、ソネさんが
料理を作ってテーブルに料理を置きっぱなしにするというのは、それまでの僕
には知らない世界だったのです。それでもまあ、仕方ないです。僕は状況を受
け入れて、ソネさんが作ってくれた料理をまた温めて食べました。母がいつも
タイミングを考えて料理をしてくれていたことが、深い愛情だったとしみじみ
と感じました。
 
 
【焼き肉もどき放置事件】
 
そんな日々がつづいたある日、ソネさんが「しんコロちゃん、何がたべたいで
すか?」と聞くので、「焼き肉が食べたいです」と答えました。焼き肉といえ
ば、みんなで鉄板などを囲んでジュージュー焼きながら食べる牛肉の焼き肉で
す。僕は、何か出来たてのものが食べたかったのです。焼き肉なら、自分で焼
けるから必ず出来たてが食べられます。我ながら、良いアイディアだと思いま
した。
 
そしたらソネさん、牛肉ではなくて、豚の細切れのパックを買ってきて、これ
また夕食の数時間前から鍋で煮始めました。僕は、「ああああ~!なにすんね
ん!」とツッコミを入れたいところでしたが、時すでに遅し。豚の細切れちゃ
んは鍋の中で、いい感じに肉汁が漏れてしまって、もはや「焼いた」というよ
りも「ぐちゃっと煮ちゃった」ものになってしまいました。ソネさんは、その
ぐちゃっとした豚の細切れを、大皿にドサッと置きました。皿の底には、アク
が浮いたような肉汁が広がっています。
 
そして完全に冷えてしまった豚肉を、また温め直して僕は食べました。ところ
が、この肉には何の味付けもしていなかったのです。塩もなにも振っていない
のです。豚の細切れを、ドサッと鍋に入れて、グチャグチャグチャと火を通し
て、皿にどかっと持って3時間置きっぱなしにした、というものでした。焼き
肉といえば牛肉と僕は思っていましたが、それはまあお年寄りだからわからな
かったのだろうと思って許せました。けど、味付けもしないで肉に火を通した
ものを置きっぱなしにするようなソネさんの料理に、僕は正直うんざりしはじ
めていました。そういえば、当時僕の友人が田舎のおばあちゃん宅を訪ねた時
のカレーがすごかったと話していました。カレーの中にイワシとかぼちゃが入
っていたそうです。イワシとかぼちゃの組み合わせって、和食でも郷土料理で
もあまりないような気がするのですが、友達のおばあちゃん的には、カレーに
はイワシとかぼちゃを入れてもおK!だったようです。それに比べれば、ソネ
さんの「犬の餌の下準備みたいな焼き肉のマネフ(ごめんよソネさん)」も、
まだマシなのかと思いました。
 
ところが、ソネさんがある日とんでもない飛び道具を繰り出したのです。
 
 
【使用済みパンツ放置事件】
 
ある日、僕がリビングの横にある父の趣味部屋、兼、僕の勉強部屋に入った時
のことです。部屋の真ん中に目をやると、何やら黄土色したものが落ちていま
す。黄土色というか、肌色というか、ややピンク色がかった、よくわからない
色をした物体です。そう、じいちゃんばあちゃんの腹巻きとか下着のような、
「この色、何色っていうの?」と言いたくなるような、微妙な色をした物体が
部屋の真ん中に放置されていたのです。
 
僕は恐る恐るその物体へと近づきました。どうやら、布のようです。でも、ど
うしても色がばあちゃんのパンツ色です。でも、部屋の真ん中に下着が落ちて
いるワケがありません。僕は恐る恐る、その布の端っこをつまんで、目の前に
持ち上げてみました。そしたらなんと!やっぱりパンツだったのです!しか
も、なんかついてる使用済みのパーンツ!
 

しんコロ「うぎゃー!」
 
妹「おにいちゃん!」
 
しんコロ「うぎゃー!わー!」
 
妹「おにーちゃん!」
 
しんコロ「パンツだー!」
 
妹「きゃああああああ!」
 
しんコロ「ほら!(妹の目の前にさらして)パンツだー!」
 
妹「きゃああああ!(逃げる)」
 
しんコロ「みてみて!なんかついてる、きちゃなーい!」
 
妹「ぎゃあああああ!(さらに走って逃げる)」
 
僕と妹は、その使用済みパンツとの突然の対面で顔面蒼白です 。
 
しんコロ「けど、なんで汚れたパンツが落ちてるの?」
 
そのパンツは、もちろんソネさんのパンツです。僕の父は変わり者ではありま
すが、ばあちゃんパンツを汚して部屋の真ん中に放置するような変態ではあり
ません。あのパンツは間違いなくソネさんのものです。
 
ソネさんはすでに帰宅されてしまったので、そのパンツ事件の真相はわからず
じまいです。
 
ソネさんは、なぜパンツを脱いだのか。
 
何かの拍子に「実」が出てしまって、不快感に耐えられず脱いだのだろうか。
でも、なんで部屋の真ん中に放置したのだろうか。
 
放置したまま、ソネさんはノーパンで帰ったのだろうか。
 
ノーパンで家についた時、自分がパンツが行方不明なことに気付かなかったの
だろうか。
 

(波瀾万丈なつづきはメルマガVol.054 にて)
 

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●Vol.004 より抜粋(ねこの健康情報や先端の研究を噛み砕いた内容)
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【キャットフードを選ぶにあたって】
 
前号で、しおちゃんが原因不明の泌尿器系の病気になり、おしっこが出なくな
る症状が続いたお話をしました。何人もの獣医に繰り返し診察を受け、専門家
にしおちゃんの超音波映像を検証してもらってもなお、しおちゃんの病気は良
くなりませんでした。ところが、しおちゃんのフードの質を変えることで、そ
の症状はすっかり改善されたのです。基本的には、穀物が含まれるフードをや
め、肉ベースのものに切り替えるということを行いました。
 
ねこは、「Obligate Carnivore」といって、肉食獣の中でも特にピュアな肉
食獣であり、絶対、どうしても、なにがなんでも肉食獣なのだということを、前
回お話しました。市販のキャットフードにはトウモロコシがよく使われていま
すが、そもそもねこはトウモロコシを食べるように体はできていなくて、動物
の肉や内蔵から栄養を吸収するように体が作られているという話もしました。
肉食獣である進化の過程を考慮してみれば、自然界でねこが食べていたものに
より近いフードを与えることが、おそらく最もねこにとって健康的なフードで
あろうということは、想像に難くないと思います。
 
ところが、読者の方々の中には「我が家はトウモロコシのカリカリだけどもう
10歳で元気」とか、「20年飼った猫がいたけど、市販のトウモロコシのカ
リカリだった」とか、本当にねこが肉食のフードである必要があるのかという
疑問もあるかと思います。そもそも、キャットフードを肉ベースにし、自然に
近いフードにするために生肉を与えるなどの動きがアメリカやヨーロッパで生
まれましたが、その根拠は「多分その方がより自然だから」という推測に基づ
いているのみで、科学的な検証はまだほとんどないのが現状です。
 
市販にあるような、トウモロコシベースのエサにいくらか肉を混ぜたフードで
、とりあえずねこは生きていけます。ところが一方で、しおちゃんのような原
因不明の泌尿器系の病気や、アレルギー、IBD(炎症性腸疾患)などの病気が
ねこに多く見られるようになってきています。一方、肉ベースのナチュラルフ
ードにすることで、毛艶が良くなったり、既存の疾患が解決したりという話も
頻繁に耳にします。ただ、本当に市販のトウモロコシベースのエサがこのよう
な症状を引き起こして、ナチュラルベースが起こさないかということは、科学
的にまだ実証されていません。
 
では、どうすれば良いのか。現段階で分かっていることを、最近の研究から紹
介してみたいと思います。
 
 
【麻布大学獣医学科で行われた研究】
 
まずは麻布大学獣医学科で行われた研究です。この研究は、狂牛病が流行して
から肉粉のペットフードへの使用の規制がかかった時に、他にどのようなタン
パク源がねこのフードに適しているかを検証した実験です。ねこはタンパク質
を多く必要とする動物ですが、タンパク質の種類や質がねこの健康にどう影響
を与えるか、研究グループは短期間の検証を行いました。肉粉、チキンミール
、コーングルテンミールという3種類のエサを用意し、別々のねこに3週間与
えました。そして、消化の効率やタンパク質としての吸収と保持そして尿の
pHや尿中の結晶の量を調べて比較したのです。
 
その結果、消化に関しては肉粉ベースのエサが一番良く、チキンミールがその
次で、コーングルテンベースが一番悪いことが分かりました。タンパク質の原
料となる窒素(N)の吸収と保持も、肉粉ベースが他のエサよりも優れている
ことが分かりました。尿のpH はどのエサでも差がなく、尿中の結晶の量に関
しては意外なことにコーングルテンミールが一番低いという結果が出ました。
ただ、尿のpH はエサの中のアミノ酸構成(メチオニンやシスチンの量)に影
響を受けるのですが、コーングルテンミールには多くのシスチンが含まれてい
たので、公平な比較ではなかったかもしれないと結論づけています。
 
この研究から分かることは、肉粉やチキンミールの方がコーングルテンベース
のエサよりも消化吸収が良く、ねこのタンパク源として優れているということ
です。このように肉粉、チキン、コーングルテンをなるべく近い条件で比較し
ている実験はこれまでになかったので、肉ベースがコーングルテンよりも優れ
ているということを直接的に示した有用な情報だと思います。
 
ナチュラルフードに詳しい方は、「ミール」が肉の副産物であることをご存知
でしょうから、そもそも「ミール」が付くエサは良くないのでは?というご意
見もあると思います。それはまた別問題として今後取り上げたいと思いますが
、この研究では少なくとも肉、チキン、コーングルテンを比較したという点で
、大切な情報であると言えるでしょう。
 
ただ、この研究では3週間という短期の影響を見ているので、尿や結晶には特
に大きな差が見られませんでした。従って、コーングルテンを与えても「短期
間なら大丈夫」とだけ言えると思います。しかし、長期に渡ってコーングルテ
ンのフードを与えた場合にどのような影響が出るかは、実際のところまだ分か
りません。また、この研究で使われた3種類のエサはすべてコーンが含まれた
上で肉粉、チキン、コーングルテンがタンパク源として添加されたフードなの
で、全くコーンを含まないエサとの比較は行っていません。これはまた今後行
われなければならない研究だと思います。
 
 
【UC Davis で行われた研究】
 
さて、ではもうひとつ、UC Davis(カリフォルニア大学デイビス校)で行わ
れた興味深い実験を紹介したいと思います。UC Davis はねこの栄養学では世界
でもトップランクとして知られています。彼らは、アメリカでねこのナチュラ
ルフードブームを受けて、市販のエサとナチュラルフードがねこの健康にどの
ように差が出るのか研究を行いました。
 
(UC Davisの研究結果の続きはメルマガVol.004 にて)
 

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●Vol.006 より抜粋(ねこの健康情報や先端の研究を噛み砕いた内容)
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【2キロの毛玉がお腹の中に!?】
 
先月、仰天ニュースが報道されました。フロリダの野生動物保護/リハビリ施
設に保護されているトラのTy(タイ)君(17歳、体重180キロ)が、2週間
ほど突然何も食べなくなってしまったのです。異常に気づいた保護スタッフが、
獣医に連れていってレントゲン撮影と胃カメラ検査をしてもらったところ、大
きな毛玉がお腹の中に溜まっていたのです。あまりに大きいので胃カメラでひ
っぱり出すことはできないので、手術となりました。
 
手術は外科の専門の獣医が行い、その毛玉を無事取り除きました。ところが、
取りだしてみて皆びっくり!その毛玉はなんとバスケットボールほどのサイズ
で、重さが2キロ!タイ君とその毛玉の写真はニュースサイトにアップされて
います。
 
CBS News
http://www.cbsnews.com/8301-204_162-57585933/surgeons-remove-4-poundhairball-
from-400-pound-tiger/

 
Weird News(動画あり)
http://www.huffingtonpost.com/2013/05/22/tigers-basketballsizedha_
n_3322726.html

 
獣医達はレントゲンを見た段階ではもしかしたら腫瘍かと思ったそうですが、
実は毛玉だったということで、無事取り除いてほっとしているそうです。タイ
君も無事回復して元気になってきているそうです。
 
グルーミングをして毛を飲み込んでしまうのはネコ科の動物によくあることで
すが、度を超すとそれが健康上の問題を引き起こすことがあります。ねこちゃ
んを飼われている方の中にも、飼いねこが毛玉を吐くのを経験している方々は
多いかと思います。
 
しかしこの毛玉問題、どのように対処したら良いのでしょうか。「我が家の子
はよく吐くけれど、大丈夫?」という疑問もあるかと思います。我が家もしお
ちゃんが長毛なので毛玉ができやすく、時々ケロっこをすることがあり、身近
な問題です。
 
そこで、今回はねこちゃんの毛玉について、最新の獣医学論文「Journal of
Feline Medicine and Surgery(ネコ科の医科/外科学)」に掲載された総説
から、かいつまんで基本的な情報をお伝えしたいと思います。
 
 
【ねこの毛玉に関する情報の欠如】
 
スコットランドのセントアンドリュース大学が、こんな研究を行いました。複
数のねこを360時間観察して、どれだけの時間毛を舐めているか(グルーミ
ングをしているか)調べたのです。その結果、なんと起きている時間の25%
はグルーミングをしていると分かりました。その時間、なんと一日あたり平均
で3時間半!東京から大阪の新幹線の中でずっと毛を舐めているようなもの
です。そりゃ、毛を飲み込んでしまうのも無理はありません。
 
ヘアボール(毛玉)を吐くことは飼いねこに良く見られる行動で、獣医の診察
を受けるほどのことではないと思われがちです。ところが、毛玉を吐くことは
通常の生理機能であるという意見がある一方で、頻繁に毛玉を吐く場合は過剰
に毛を飲み込んでいるか、胃腸に疾患がある場合もあるということを留意
しておかねばなりません。毛玉を腸に溜めすぎてしまった結果、結腸炎を起こ
したケースも報告されています。
 
その対策として、毛玉コントロールのキャットフードが市販されていますが、
メーカー独自の試験が主で、実は現段階ではその効果について客観的な試験を
行った情報は皆無に等しいのです。また、一般的に推奨されている毛玉予防も、
果たして効果があるかどうかは研究されていないのが実情です。
 
このように、科学的な情報がほとんどない一方で、毛玉に困っている飼い主は
たくさんいて、獣医もその対処をしなければならない状況です。毛玉は、吐き
出して済む程度ならねこにも飼い主にもちょっとだけ「不快な」だけで済みま
すが、最悪の場合には重篤な病気の原因となるだけでなく、命にかかわること
もさえもあります。
 
(解決法なども含めた続きはメルマガVol.006 にて)
 
 
 
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