腎臓疾患のエサについて。

腎臓疾患のエサについて。

ターキーのまね
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腎臓疾患の猫ちゃんへのエサについていくつかご質問やコメントがありました。
腎臓疾患の場合は、獣医はリン、タンパク、ナトリウムが低く、カリウムを多めにして血液を中性に向ける処方食を勧めます。腎臓疾患がある場合は、尿路結石用の処方食や泌尿器系疾患予防食は与えないでください。というのは、これらは血液を酸性に向けることがあるので、腎臓疾患には良くないことがあるからです。
処方食はたしかに副産物などが使われていて、高品質なキャットフードかという点では疑問です。しかし、腎臓疾患をすでに発症している猫に通常食を与えると腎臓に負担をかける可能性がありです。なので処方食を与えるのは現時点でやむを得ないと思います。また、腎臓疾患にはウェットフードを与えてください。水分が腎臓への負担を減らします。
これまで腎臓疾患には低タンパク食が良いという通説でしたが、ここ10年では賛否両論ではっきりとしたことは分かっていません。多くの処方食は低タンパクですが、タンパク自体が悪いのではなくて、低タンパク食はリンの含有量が少ないので効果がある、という研究も存在します。元々猫はタンパクを多く必要とするので、極端にタンパクを減らしたり、質の悪いタンパク源を与え続けるのも問題だと考えられています。
あとは手作り食ということになりますが、猫の必須栄養素のバランスは人とはちがう上、成分の管理をしなければならないので気をつけなければならない点が非常に多く、難しいと思います。ちなみに、腎臓疾患がある場合は免疫系が弱っていることがあるので、生肉食を与えるとバクテリア感染などのリスクもあるのでおすすめできません。
ではどうするか。僕だったら、処方食の中でもなるべく安全な成分のものを選び、さらに安全食でリンとナトリウムの少ないものを少し混ぜてやる形にすると思います。
たとえば、
Wysong Liver Gourmetだとタンパク44.7%、リン0.6%、ナトリウム0.3%
Pet Guard Venison and Riceだとタンパク25.0%、リン0.6%、ナトリウム0.2%
(%は乾燥状態、実際はウェットなので1/4くらいの値になります。)
ここに処方食と安全食のタンパク(Protein)、リン(Phosphorus)、ナトリウム(Sodium)量がまとめてありますので是非参考にされてください。
*猫の腎臓疾患と栄養に関する総説です。
D J Polzin, C A Osborne, S Ross, F Jacob. Dietary management of feline chronic renal failure: where are we now? In what direction are we headed?, Journal of Feline Medicine and Surgery (2000) 2, 75–82
追記:キャットフードのオススメなどを色々記載してきました。ご存知だとは思いますが、エサを切り替える時はいままでのエサに少しずつ混ぜる等して、2週間くらいかけて切り替えてください。急に切り替えると食べなかったり下痢を起こしたりすることがあります。食べなくて栄養不足になると、短期間で脂肪肝になる可能性もあるので、食べていることを確認しつつ、切り替えはゆっくりと行ってください。
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